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【読書】心理的安全性の作り方【第1章/第2項】

はじめに

こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。
本日は「心理的安全性の作り方(石井遼介 著)」の続きを読んでゆきます。

心理的安全性を計測する7つの質問というものが、エドモンソン教授により作成されていますが、これには米国の文化や社会背景が前提として存在します。
著者の研究チームではこの質問を発展させ、日本向けの因子を作成しました。

本項ではその因子について紹介されています。
教育前提・家庭内向けへの応用を考えている我々としても、ここからさらに発展させる手法や新たな視点を得たいところです。

第1章/第2項:日本版「チームの心理的安全性」の4因子

はじめにで述べたように、この項では日本の企業組織を前提とした、心理的安全性の4因子が以下のように紹介されています。

  • 話やすさ
  • 助け合い
  • 挑戦
  • 新奇歓迎

元々心理安全性は「無知/無能/邪魔/ネガティブ」と思われる要素(罰・不安)が「無い」状態を目指すものでしたが、この日本版心理的安全性の4因子はそれぞれの項目が「有る」状態を目指すものとして示されてます。

以下でそれぞれの項目について詳細に見てゆきましょう。

話しやすさ因子

4項目の中で最重要であり、それぞれの項目の土台となるものです。

「状況把握/状況判断/意見とアイディアの収集」が促進されます。

例として挙げられているのは、

  • チームがまとまりかけているときに反対意見を出せるか
  • 問題やリスクを感じた時に声をあげられるか
  • 知らないこと・分からないことを尋ねられるか

などです。

良い話・悪い話に関わらず、ありのままの事実や意見を言える組織は「話しやすさ因子」が高いといえます。

助け合い因子

「トラブルへの対応/より高いレベルの仕事」のために重要な因子です。

例として挙げられているのは

  • 問題発生時に人を責めず、解決に迎えるか
  • チームが相談にのってくれるか
  • 加点主義か

などです。

通常の役割を超えてチームメンバーが良い化学反応を起こせるかを問うているのが「助け合い因子」といえます。

挑戦因子

「チームの活気/社会に合わせた進化」のために重要な因子です。

例として挙げられてるのは

  • チャレンジが得だと言えるか
  • 前例や実績がなくても取り入れられるか
  • 多少非現実的なアイデアでも共有し、やってみようと思えるか

などです。

チームメンバーによるアイデアの発露と試行錯誤を歓迎し、楽しむための因子が「挑戦因子」です。

新奇歓迎因子

「個性の発揮/多様な観点を生かす」ために重要な因子です。

例として挙げられているのは

  • 強みや個性の発揮が喜ばれるか
  • 多様な視点・観点を持ち込めるか
  • 目立つことがリスクではないか

などです。

チームメンバーの個性と価値観を尊重し活かすことでより大きな成果へつなげるためには「新奇歓迎因子」が重要です。

考察

この項の中で、家庭でも重要になりそうなのはやはり「話しやすさ因子」ですね。
ただこの因子が低くなってしまっている家庭も思ったよりありそうです。
親からすると生徒はやはり「子ども」であり、未成熟であるように見えてしまうことも多いかと思います。
しかし相手と対等なコミュニケーションでなければ、「話しやすさ因子」は高められないのではないでしょうか。
今後の項でそれぞれをどのように高めたらよいかも出てくるので、そちらでしっかりと学びたいと思います。

逆に「新奇歓迎因子」などはそのままの流用は難しいと感じています。
この項目などは家庭内向けを考えた時に別の形になるかもしれませんね。

この「日本版心理的安全性」は「updated COSMIN」という指針にそって作られたと書かれている点も興味深いです。
同様の指針で家庭向けへ応用できないか調査する必要があると感じています。

次回

次の第3項で第1章がすべて終わります。
心理的安全性の概要やどのような点で重要かが一通り読み取れると思いますので、第3項終了後に一度まとめ記事を書いてから第2章に進んで行ければと思います。

ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。

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