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【読書】心理的安全性の作り方【第3章第2項】

はじめに

こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。

本日は「心理的安全性の作り方(石井遼介 著)」の第3章第2項にはいってゆきます。
この章では個人の評価や行動変容の働きかけをする際に陥りがちな罠について記載されているようです。
また、行動分析で自分の行動習慣をデザインするワークについても記載されています。

個人攻撃の罠

「あいつはやる気がない」

上司が部下に、先生が生徒に、親が子に、先輩が後輩に……色々な場面で聞こえてくる言葉です。

誰かの行動を評価する際、このように内面を責める言葉を使ってしまうことがあります。
これはまるで対象が「やる気」という何かを所持していないように思えますが、実際は「やる気があるとみなされる行動」をとっていない、という状態にラベルを張っているだけといえます。

個人攻撃の罠とは、こういった「直接観測できない個人の内面(やる気・自信・性格など)を責めてしまうことです。

個人攻撃は行動変容や改善、問題解決には繋がりません。
行動分析を用いたきっかけ、見返りに対するアプローチは、こういった個人攻撃を避けて、より具体的に働きかけることができます。

行動分析ワーク

実際に「自分のやめたい習慣」を行動分析してみましょう。

ここでは樋口のやめたい習慣について、記載の手順で分析を進めてみようと思います。

ステップ1:やめたい行動・習慣を決める

つい、物を出しっぱなしにしてしまう癖をなんとかしたいと思っています。
部屋が散らかってしまいますし、一度散らかると片づけるのも大変です。
分かってはいるのですが……。

ステップ2:やめたい行動・習慣が、どのような時、どのような条件の時に起きるのか「きっかけ」を考える

Q&A方式で自問自答すると考えやすいそうですので、その通りにやってみようと思います。

何を出しっぱなしにするのですか?

本や服がメインになります。

本はいつ出しっぱなしにするのですか?

読んだ後、読み返したい場合やまとめて数冊持ってきているときなど出しっぱなしにしがちです。

服はいつ出しっぱなしにするのですか?

洗濯物をたたんだ後、しまうのが面倒で近くに置いてしまいます。

逆にすぐ片付けるものは何かありますか?

食品など、出しっぱなしだと実害のあるものはすぐ片付けます。また、例えば出し入れがとても簡単なものはすぐに仕舞っています。

考えられるきっかけ:生活動線上にない、すぐに出し入れできない状態のものを取り出したとき

ステップ3:行動をとった最中や直後に、どのような思考や感覚が得られるか

本、服問わず、「どうせすぐ使うし、近くにあったほうが楽」と感じています。

ステップ4:「きっかけ」「みかえり」を変えることで、自身の習慣をデザインする

現状、本棚が実際の読む場所から少し離れていることや、着替える場所としまう場所が違うことから、「使う→仕舞う」の間にあるハードルが高いと感じていることが、片付けがスムーズに進まない原因のようです。
ステップ3に記載したみかえりは短期的に行動を強化する好子ですので、ここを小さくすることで、「すぐに片づけた時の部屋の住みやすさ」などの長期的なメリットのほうが大きくなるようにすると、習慣が変わるかと思います。

具体的には、以下の対策で今よりも片付けが進むのではと考えました。

  • よく読む本の置き場を、席のすぐ近く(手が届く範囲)の場所に作る
  • クローゼットの位置を変更し、着替える場所と置き場を合わせる

考察

個人攻撃の罠については、特に遠慮のない近い関係や、上下関係がある場合にはまりやすいのではと思います。
親から子などは特に、「自分の子どものことはよくわかっている」という思いこみもふくめて、無意識にやってしまうことは多そうです。
常日頃、というのは難しいかもしれませんが、せめて何かの行動を変えようとアプローチする際は、どちらにとっても良いことはありませんので、「マインドフルに見分ける」ためにも、自身の行動を振り返りながら適宜修正を試みてゆきましょう。

行動分析ワークについては先週の記事と似た内容になりましたね。
先週の方向性があまりずれていなかったようでほっとしています。
ステップ1~4の手順で誰でもできるものだと思いますので、親子でいろいろと試してみても面白いのではないでしょうか。

次回

次回は第3章第3項について読んでいければと思います。

ついに行動分析で心理的安全性に対してどうアプローチするかの項になります。
書物の知識から現実での実践へ、橋渡しになる項かと思いますので、よりしっかりとまとめてゆきたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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