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聴いている事を伝える方法-最小限度のはげましといいかえ- 【マイクロカウンセリングのすすめ③】

こんにちは。学習塾ブランチの西原です。

少し間が空いてしまいましたが、前回の続きを書いていこうと思います。

▼前回の記事はこちら▼

スタッフブログ 成績アップのプロセス

効果的な質問の仕方【マイクロカウンセリングのすすめ②】

2022/9/10  

学習塾ブランチの西原です。 今日は質問について考えていきたいと思います。 皆さんはお子さんに問いかけるとき、どんな聞き方をしていますか? ”質問”はその形によって、相手の心を開く事にも閉ざさせる事にも ...


質問を投げかけると、当然ですが何かしらが返ってきます。

返ってきたものをどう受け止めると良いのか、それが今日のテーマです。

この受け止め方次第で、「それでね、、、」とより詳しい話をしてくれるのか、「あぁ、やっぱもういいや」と途中で終わらせてしまうのか
お子さんの態度は変わってきてしまいます。

聴いている事を伝える2つの方法 -はげましといいかえ-

ここでいう「話を聴いている」とは、あなた自身が感じていることではなく、

相手(お子さん)が「話を聴いてもらえた」と感じていることに重きをおきます。

何か悩んだり、困ったり、落ち込んだりしたときに、話を聴いてもらえてうれしかったり、安心できたりした経験が誰しもあると思います。

それはどのような行動から感じ取っていたのでしょうか?

その代表的な行動に「最小限のはげまし」と「いいかえ」があります。

【最小限のはげまし】
「最小限のはげまし」には非言語的なものと言語的なものがあります。
非言語激なものは、「かかわり行動」の時に詳しく書きました。内容はこちら

「言語的なはげまし」は相手に共感していることを表現する、瞬時的な発生とされています。
例えば次のようなものです。
①「そうなの?」「それから?」「そう?」
②1語または2語の繰り返し
③「それで?続けて」
④「う~ん」「なるほど」

【いいかえ】
いいかえは、他の人に気持ちを集中していく特別な方法で、
ときには相手の気持ちを明確に把握するために、その人になりきることも必要です。
相手の話した内容を、整理したり、感情を追加したり、「こんな風に思っているんですね」と伝える技法です。

その際に、効果的とされているのは次の3つです。
①相手の名前や代名詞(君、あなた)を使う
②相手が話した最も重要な語句を残す
③相手の話の本質をとらえて、それを的確に表現した言葉を返す


このように説明を読むと、なんだか難しいなと思うかもしれません。
具体的な会話例で見ていきましょう。

「最小限のはげまし」の具体的な会話例

定期試験が終わり、試験結果が返ってきた時の子(優太)と母(幸子)の会話です。

【悪いはげまし】
優太:テスト返ってきたよ、はい。

幸子:何この点数!ちゃんと勉強したの!?

優太:勉強したところがあまり出なかったから、、、

幸子:テスト範囲は決まっているんだから、満遍なくやってたらできるでしょ!

優太:やったって!

幸子:やってたら、こんな点数にならないでしょ!?次はちゃんとやりなさいよ!

優太:はいはい、分かってる!


よくある会話かと思いますが、文章にしてみると、
子どもの話を促したり、子どもの発言を繰り返したりという点が全くないことが分かると思います。

【良いはげまし】
優太:テスト返ってきたよ、はい。

幸子:どうだったの?

優太:勉強したところがあまり出なかったから、、、

幸子:そっか、出なかったんだ。

優太:友達がここが出るって言ってたから、そこは全部覚えたんだけど。

幸子:そこは全部覚えたんだね。

優太:そこが出たら絶対80点は超えたと思うのに!

幸子:じゃあ期末は頑張って80点超えてね!

優太:うん!期末はワークを頑張るよ!


さっきと同じ入りですが、子どもが言った内容をきちんと拾って返していることがよく分かると思います。

「いいかえ」の具体的な会話例

同じシチュエーションで、「いいかえ」を主に使った時の会話例です。

【悪い いいかえ】
優太:テスト返ってきたよ、はい。

幸子:優太、この間ちゃんと勉強したって言ってたよね。

優太:ちゃんとやったけど、やったところが出なかったんだよ。
   隆がここやっとけば大丈夫!って言ってたから、そこは完璧だったんだけど。

幸子:隆君が悪いって言いたいの!?

優太:いや、そういうわけじゃないよ。ただ、そこが出てたら80点は取れたと思うんだよね。

幸子:だから、隆君が悪いって言っているようなもんじゃない!

優太:だから違うって!もういいよ!


優太は、友達に教えてもらった場所は完璧にやったと、「この範囲は完璧だった」と言いたかったのに、
幸子は「人のせいにしている」と思い、そちらを「いいかえ」てしまい、話が噛み合わなくなっています。
優太が自分の伝えたい事を再度言っているにも関わらず、そこをスルーされたことで、
これ以上話しをしたくないという気持ちになっていることが分かります。

【良い いいかえ】
優太:テスト返ってきたよ、はい。

幸子:優太、この間ちゃんと勉強したって言ってたよね。

優太:ちゃんとやったけど、やったところが出なかったんだよ。
   隆がここやっとけば大丈夫!って言ってたから、そこは完璧だったんだけど。

幸子:そっか、頑張ったところがあんまり出なかったんだね

優太:そうなんだよ!あんなに頑張って全部覚えたのに。
   あそこが出たら80点は取れたと思うんだよね。

幸子:80点取れるだけの勉強はしていたんだね!

優太:今回はめっちゃ頑張ったのに!悔しい!!

幸子:それは悔しいね!でも、テスト範囲をしっかり取り組んだら、80点取れそうってことじゃない!?

優太:うん、頑張ったら80点取れそうな感じがした!

幸子:じゃあ次に期待しとくね。

優太:絶対80点取るから!


優太の話したい事に、焦点が合っていることがよく分かると思います。

はげまし、いいかえの注意点 解釈や指示にならないように

上の悪い例では、例えばこのようなやりとりの部分は「いいかえ」をしているようで、幸子の解釈や指示になっています。

【解釈】
優太:ちゃんとやったけど、やったところが出なかったんだよ。
   隆がここやっとけば大丈夫!って言ってたから、そこは完璧だったんだけど。

幸子:隆君が悪いって言いたいの!?

【指示】
優太:やったって!

幸子:やってたら、こんな点数にならないでしょ!?次はちゃんとやりなさいよ!


子どもとのコミュニケーションがうまくいかない、すぐにケンカしてしまうという場合は、
まずは、子どもの声に、自分がどう反応しているかを観察して、声掛けを少し工夫してみてください。

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