学習塾ブランチの西原です。
今日は質問について考えていきたいと思います。
皆さんはお子さんに問いかけるとき、どんな聞き方をしていますか?
”質問”はその形によって、相手の心を開く事にも閉ざさせる事にもなる技法で、
質問すれば良いと言うほど単純なものではありません。
今日はその質問の種類と効果について考えていきます。
開かれた質問と閉ざされた質問
よくある質問の分類ですが
まずは、開かれた質問(オープンクエスチョン)と閉ざされた質問(クローズドクエスチョン)についてです。
■開かれた質問
開かれた質問は、「そのとき、どう感じたの?」「それを聞いてどう思った?」など「はい・いいえ」では答えられない質問の形式です。
これによって、お子さんは、自分自身を探求することになります。
お子さんが今一番話したいことについて話しをすることができます。
開かれた質問は
・会話のスタートに役立つ
・詳しく聞き出したい時に役立つ
・感情に注意を向けることに役立つ
などのメリットがあります。
答え方に自由度がある分、言語化できていない場合は、黙り込んでしまったりと、
時間を要することがありますので、しっかり子どもの話を聞き出したい時は、時間の余裕を持ったうえで取り組みましょう。
■閉ざされた質問
閉ざされた質問は「宿題は終わった?」「先生とは話はできた?」など「はい・いいえ」で答えることができる質問です。
必要な情報を集めるときには役立ちますが、聞く側の聞きたいことが中心となるので、
本人の話したい事とは内容がズレているかもしれませんので、注意が必要です。
ただ、はいかいいえで答えられるので、開かれた質問でなかなか話し出せない時などは、閉ざされた質問をしながら
情報を整理する事をしてあげるなど、場面によってはとても有効な質問法です。
開かれた質問の種類①why
開かれた質問にもいくつか種類があります。
親子間でよく使ってしまうのは「why」の質問です。
理由を聞きたい時に使いますよね?
「なんで言わないの?」「なんでやってないの?」などなど、
子どもの行動に対して「なんで?」と思う事が多々あるので、そのまま言葉にしてしまうと「why」の質問になってしまいます。
しかい、この「why」の質問は、質問された側は攻撃されたように感じることも多く、
子どもとの会話の場合、反発を招く場合もあります。
また、「なぜなのか?」が本人も分からずに悩んでいることも多く
「なんで?」と聞かれても答えられないという事も多々あります。
そのため、「why」を使わずに別の聞き方をしていく必要があります。
開かれた質問の種類②what
「何」を聞く「what」の質問は、状況について具体的に話すよう促す効果があります。
「何があったの?」
「何と言われたの?」
「何が気になっているの?」
などです。
例えば、進路の話をしている時など、なかなか本人が言葉に出来ないときに、
「どうして何も言わないの?」と「why」の質問をすると、問い詰めているように聞こえてしまいます。
「what」の質問に変えると、「何か気になっていることがあるの?」となり、あなたのことをもっと知りたいというニュアンスを感じ取れると思います。
開かれた質問の種類③How
「どのように」を聞く「how」の質問は、ものごとの経過や結果、それに対する感情面について話すよう促す効果があります。
「どんなふうに言われたの?」
「それを聞いてどう感じたの?」
などです。
私の場合は「what」の質問で具体的な内容を聞き出した後、
そのことについて本人がどう感じているかを「how」の質問で聞き出したりしています。
この流れで会話することで結果的に「why」で聞くのと同じ情報を入手することができます。
開かれた質問の種類③could
最後は「~してくれませんか」と問いかける「could」の質問です。
もっとも開かれた質問といわれています。
「もう少し詳しく教えてくれる?」
「今どう感じている話してくれない?」
などです。
この質問は「クローズドクエスチョン」にもなっており、これ以上話したくない時は「今は話したくない」と
子どもが話さないということを選ぶこともできる質問の仕方です。
親子間で使う事はあまり無いかもしれませんが、子どもの情緒が不安定な時などには有効だと思います。
意識することが大切
ここまで質問の種類とその効果について書いてきました。
ここまで読んで頂いた方の多くは、「確かに、そうだな」と感じられていると思います。
しかし、私たちはプライベートで誰かと会話をするとき、それがましてや家族の場合には、
自分がどんな問いかけをしているかあまり意識する事はないと思います。
まずは、子どもに対して自分がどのタイプの質問をしているかを観察するところから始めてみましょう。
質問の力は非常に強く、聞き方を変えるだけでも、子どもの反応は変わってきます。
「うちの子は、何を言っても聞かない」とあきらめる前に、質問の仕方を変えてみることを試してみてください。