スタッフブログ

【読書】心理的安全性の作り方【第3章第1項】

はじめに

こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。

本日から「心理的安全性の作り方(石井遼介 著)」の第3章にはいってゆきます。
この章には行動分析を基にした、「心理的安全性が高い状態」の時に現れる行動を増やすアプローチについて記述されています。

第2章までで学習したことを具体的に生かす方法について学びたいと思います。

「きっかけ→行動→みかえり」フレームワーク

行動分析とは心理学や精神医学の分野で活用されている行動変容の手法であり、そのもっとも基本かつ重要な枠組みが「きっかけ→行動→みかえり」フレームワークです。

これは人の行動を、なにかの「きっかけ」によって「行動」が起き、その結果として発生する「みかえり」が「行動」に影響を与えるという捉えます。

みかえりの種類

「みかえり」には2種類あり、同じきっかけがあった時に行動する確率があがる(行動が強化される)「みかえり」を【好子】、行動する確率がさがる(行動が弱化する)「みかえり」を【嫌子】と呼びます。

また、これらの見返りが「生まれる時」と「なくなる時」のどちらもがみかえりとして行動に影響を与えるので、見返りは次の4パターンあることになります。

  • 好子×生まれる→行動が強化される
  • 好子×無くなる→行動が弱化される
  • 嫌子×生まれる→行動が弱化される
  • 嫌子×無くなる→行動が強化される

なお、「行動直後のみかえりのほうが、中長期的なみかえりよりも影響が強い」とされてますが、嫌子による行動変容は効果が一時的であったり、別のネガティブな行動を増やしてしまったりなどあまり効果的でないとされていますので、可能な限り好子による制御を検討するほうがよいでしょう。

きっかけの重要性

「きっかけ」の分析は、人がいつ、どのような状況で行動を起こすのかという行動の文脈を特定するものです。

生活の中には、無意識のきっかけで行動が制御されているケースもあり、この場合、「きっかけ」を意識することで行動変容の助けになることがります。

そしてきっかけは1つではなく、視覚的・聴覚的なきっかけや思考、時間などの目に見えない心の中の動きも含めて、「どのような刺激に対して行動を起こすか」を特定する必要があります。

行動ではない行動

行動分析において、「行動ではない」とされるものがいくつかあります。
これらを行動分析の方法論で変容しても成果があがらないため注意が必要です。

受け身

褒められる、尊敬されるなど「〇〇される」とあらわされるものは「行動」ではありません。
また「わくわくする・集中する」などは主体的な行動に見えますが、どちらも意図して行うことができませんので、受け身となります。
褒められる、尊敬される、ワクワクする、集中するといった「結果を得るためにどんな行動を起こすか」を「行動」として設定しましょう。

否定

ゲームをしない、スマホをさわらないなどの「〇〇しない」とあらわされるものは「行動」ではありません。
「ゲームをしない状態」を目指したい場合は、「ゲームをする」を「行動」に設定し、この行動の「きっかけ」を変えたり、「弱化させるみかえり」を設定したりしましょう。
また、「望ましい行動の代わりに望ましくない行動をとってしまっている」(勉強せずにゲームをしてしまう)と捉えて、その「のぞましい行動」が増えるようにアプローチするのも効果的な方法です。

結果

テストで〇点取る、試合に勝つ、などは行動の結果です。具体的にとれるのは「テストで〇点取るための行動/勝つための行動」であり、「勝つこと」そのものを行動することはできません。

総じて行動分析における「行動」とは、「自発できる、具体的な行動」を指します。

考察

少し心理的安全性の文脈とは離れてしまいますが、ご家庭での「勉強しなさい!」にあまり効果がないことが書かれてるなと感じました。

この場合、「何かのきっかけ→行動:ゲームをする→みかえり:勉強しなさい!(嫌子が生まれる) = 行動が弱化される」の流れですが、嫌子の制御は一時的かつ別の行動、たとえば「親にみつからないように隠れてゲームする」や「勉強するふりをする」などの行動が生まれるきっかけになってしまうことが考えられるということになります。

ではどうするのがよいかということですが、まずは子どもを観察したり、対話することで「ゲームをする」行動のきっかけか、もしくはたまにでも勉強しているのであればその「勉強するきっかけ」を見つけるのがよいかと思いました。
同時に「勉強した時」に、できればすぐに「好子」を提示するのがよさそうです。

ここで問題になるのは「そのみかえりが本当に好子たりえるか」だと思います。
本によるとそれは「実際に望ましい行動が増えたかどうか」という観点で、現実を見つめる必要があるとのことでした。

第2章に書いてあった「マインドフルに見分ける」部分が該当しそうですね。バイアスをもって世界を見ていることを認識し、極力俯瞰して現実を観察することで、「みかえりが好子としての役に立っているか」を問い続け、修正しつづけることが必要になるかと思います。

次回

次回は第3章第2項について読んでいければと思います。

第3章は非常に具体的なアイデアにあふれた章です。
すぐにでも家庭や塾内に応用してみたい内容がたくさんあるので、読みながらそちらも考えていきたいですね。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

-スタッフブログ