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コミュニケーションのヒント:心理的安全性とは

はじめに

こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。
今回は、今現在非常に興味を惹かれている分野の1つである、「心理的安全性」についてお話していこうと思います。

突然ですが、生徒は保護者に対して思ったことを話しているでしょうか。
わからないところを聞いているでしょうか。
自分の考えを主張できているでしょうか。
受験についていままで行きたいといっていた学校が実は変わっていたり、興味のある職業ができていたり、友人関係で悩みがうまれていたり……。

もし最近子どもと話せていない、何か言いたげだが聞いても答えない、などに心当たりがあるのであれば、それは「心理的安全性」の面で改善できることがあるかもしれません。

心理的安全性とは

心理的安全性とはすなわち、「間違ったことを言ったり、人と違う意見を言ったとしても、自分自身を否定されない、人を否定することもないと思える状態」のことです。

心理的安全性の低いチームではメンバーは次のような不安に囚われてしまい、その力を発揮できません。

『無知』だと思われる不安

誰かに質問をしたときに「こんなこともわからないのか」「なぜこれがわからないんだ」などと思われるのはとても悲しいですよね。質問とは何かわからないことがあった際に行うものですので、そのまま成長するチャンスです。しかしこのような場では積極的な質問は行われず、そのためチームメンバーの成長機会が損なわれてしみます。

『無能』だと思われる不安

「無知」の項目ともつながっていますが、「こんなこともわからないやつだったのか」と思われたくない不安です。この不安が高いチームでは失敗の報告などが行われにくく、チームとして立ち向かっている物事が進展しにくくなってしまいます。

『邪魔』だと思われる不安

チームの意見が1つにまとまりかけているとき、そこに反対意見を投げかけるのは勇気がいる事です。チームメンバーから「せっかく意見がまとまりそうなのに、邪魔な人だ」と思われるのは誰でも避けたいと思います。ですがあまりこの不安が高いと、まとまっていると見せかけてしっかりと議論が煮詰められないチームになってしまいます。

『ネガティブ』だと思われる不安

チームにとって大切な気づきや指摘をするときに「なぜこの人はネガティブなことばかり言うのか」と思われそうな環境では、その指摘を伝えることをためらってしまいますよね。この不安が高いチームは一見ポジティブですが、その実潜在的な問題に気が付けないチームになります。

これらの不安がない状態を「心理的安全性が高い状態」としており、Googleではチームのパフォーマンスを高める要素として、とても重要視されています。

仮説:家庭内・教室内コミュニケーションに応用できるのではないか

私はこの要素が「子どもが積極的に学習したり、学習へのモチベーションを維持する」ための概念としても流用できるのではと考えています。

実際、親子間の信頼関係やコミュニケーションと、生徒の学習意欲の間に相関があることは統計結果がでています。
平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)[国立教育政策研究所]

ただ、信頼関係やコミュニケーションについてはなにを良いとするかの判断が難しく、アンケート上は「子どもと将来や成績のことについて話をする」などの回答として「する」を選ぶが、その話し方に改善の余地があるパターンなどが多くあるのではないでしょうか。既存アンケートの視点では解析しきれない部分を見極める指標として、現在「心理的安全性」を小中学生教育に流用する研究を行っています。

端的に言えば、「心理的安全性を高める働きかけをすることで、子の学習意欲に良い影響があるのではないか」という仮説をもっているのです。

終わりに

今回は心理的安全性の概要をご説明しました。
そのまま使うことは難しいですが、うまく使えば親子間・教師間のコミュニケーションなどを円滑にするヒントとなりそうです。
次回からは現在勉強として読んでいる「心理的安全性の作り方」という本について、少しずつ内容をまとめながら教育視点で応用できそうな点を考えていくつもりです。

ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。

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