はじめに
こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。
本日は「心理的安全性の作り方(石井遼介 著)」の第2章第3項を読み進めてゆきます。
この項目で掘り下げらているのは心理的柔軟性の3要素のうちの2つ目、「大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む」ことです。
前項で書かれていた「変えられないものを受け入れる」は行動を起こす際のハードルを下げるためのものでしたが、今回はどのような効果が得られるのでしょうか。
行動を起こすための「力」
今回の要素を取り入れることで、チームは「前へ進むための推進力」を得ることができます。
チームの心理的安全性を機能させ、目標達成に役立つ行動を促します。
この働きかけには、次の2つの要素に取り組むことが重要です。
- 大切なことの明確化・言語化
- 大切なことへ向けた、具体的な行動
「大切なこと」を認識すること
まずは「大切なことの明確化・言語化」です。
自分たちが何を大切にしているのか、何に向かって活動しているのかが曖昧な状態のチームは、目の前のやらなければならないことがただの作業に成り下がります。
できる範囲の仕事をとりあえずこなすだけのチームに成長はありません。
大切なことを明確にすることで個々の仕事に対して明確な目的が生まれ、仕事の妥協点が高くなります。
【第1章/第1項】において、心理的安全なチームが成果を出すためには妥協点が高い「学習するチーム」である必要があると書いてありましたが、まさにそのために必要な要素がこの「大切なことの明確化・言語化」であると言えます。
行動すること、行動し続けること
つぎに、「大切なことへ向けた、具体的な行動」についてです。
向かう先が本当に大切なものであればあるほど、その行動のハードルは高くなります。
大切なものへ向かう行動については「失敗したらどうしよう」と思いますし、周囲からの拒絶もあるかもしれません。
そうした困難な状況、思考、感情を「受け入れ、前向きに味わう」ことでそれらと戦わず、行動のためにリソースを使ってゆくことが必要です。
とっている行動が「本当に大切なものに向かっているか」を常に振り返り、行動し続けることが重要になります。
考察
今回はとてもシンプルなメッセージがこめられた項でした。
大切なことをはっきりさせること、それに向かった行動をすること、振り返りながら行動を続けること
メッセージとしてはわかりやすいのですが、実践するハードルは字面ほど簡単ではありません。
特に家庭学習で考えた場合、学習の実践者は子どもです。
「やりたくない勉強をそれでもやった方が良い」と、子ども本人がある程度苦痛を飲み込めるだけの「大切なこと」を提示することができれば、もしかしたら学習に対する認識も少し変わってくるのでしょうか。
まずはありきたりな質問ですが、「なぜ勉強をしなければならないのか」について、子どもを説得するための理由ではなく、一般常識や通り一遍な説明ではない、あなたの心から思う「大切なこと」を考えてみるのもよいかもしれませんね。
次回
今回は第2章第3項を読みました。
前提とイヤな気持を受け入れた後、実際に行動する際に大事なことが書かれていた項でしたね。
次回は第2章第4項について読み進めていく予定です。心理的柔軟性の第3要素、「マインドフルに見分ける」の項になります。
ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。