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はじめに
こんにちは。学習塾ブランチ エンジニアの樋口です。
本日は「心理的安全性の作り方(石井遼介 著)」の第2章第1項を読み進めてゆきます。
この項目では心理的安全性を高めるために必要なものとして、新たに「心理的柔軟性」というものがあげられています。
心理的安全性を高めるためどのように関連してくるのか、しっかり読み取ってゆきたいと思います。
心理的安全性と心理的柔軟性
「関係性・カルチャー=歴史」を変革する「リーダーシップ」
心理的安全性を高める3段階のうち、「関係性・カルチャー」はチームの歴史が形作っています。
歴史とは一人ひとりの行動・結果・組織や周囲の対応の積み重ねです。
この段階を変革するには、チームの様々な行動・対応に効果的にアプローチするための「心理的柔軟なリーダーシップ」が必要になってきます。
リーダーシップは「他者に影響を与える能力」であり、影響の与え方によって様々なタイプがあります。
- トランザクショナルリーダーシップ:アメとムチ/成果主義
- トランスフォーメーショナルリーダーシップ:ビジョン/啓発
- サーヴァント・リーダーシップ:メンバーを支援する
- オーセンティック・リーダーシップ:自分らしさを発揮する など
「これらをチームと状況に合わせて使い分けることで、しなやかにチームを変えていく」能力を、本書では「心理的柔軟なリーダーシップ」とおいています。
ここで示されている柔軟性には3つの要素があります。
- 変えられないものを受け入れる
困難な思考や感情が現れたとしても、それらと戦わずに受け入れること - 大切なものへ向かっていく
チームとして向かいたい方向に、たとえ困難があっても行動し、従事すること - それらをマインドフルに見分ける
変えられるものと変えられないもの、今この瞬間には何を大切にすると良いかを、客観的・俯瞰的に見分けること
この3つの柔軟性は相互に関係しあっているため、取り組みやすい部分から手を付けることで、それ以外の要素にも良い影響があります。
「行動」にフォーカスすること
他者に対して影響を与えるためには、「行動」そのものを注視することが有効です。
「やる気をだせ」といったところでやる気はでてこないのです。
「やる気がある/ない」といったラベルは、一連の行動の要約にすぎません。
数ある行動の結果として「やる気がある/ない」とされるわけです。
心理的柔軟なリーダーシップでは、チームに信頼や尊敬が生まれるような、「具体的にとれる行動」を重視します。
ただし、どのような行動が信頼・尊敬を生む上で役に立つかは、状況や文脈により変化します。
同じ行動は常に同じ結果を生み出すわけではないので、柔軟に行動を切り替える必要があるわけです。
「4つの因子」を行動に分解する
心理的安全性の4つの因子は行動に分解すると次のようになり、これらの行動が増えていくようアプローチすることが、心理的安全性を高めることに繋がります。
- 話しやすさ
話す/聞く/相槌を打つ/雑談する/報告するという行動自体をほめる - 助け合い
相談する/相談にのる/問題をみつける/自分ひとりでは対応できないことを認める - 挑戦
挑戦する/機会を作る/挑戦自体を歓迎する/常識を疑う - 新奇歓迎
個性を発揮する/強みに応じて役割を与える/違いを違いとして認める/批判を一時に置く
考察
心理的柔軟なリーダーシップをもって、「行動」にフォーカスする点は大きな感銘を受けました。
実際に家庭内、教室内でこれらの行動がどのくらい発生しているのか、生徒がこれらの行動をとったときにどんなフィードバックを返しているかを意識することで、かなり具体的な行動指針をたてられる可能性があります。
フィードバックとその影響について調査することで、分析アンケートの精度などにも良い影響がありそうです。
次回
今回は第2章第1項を読みました。
心理的柔軟性・行動にフォーカスする、という2つのキーワードが心理的安全性を高める指針として重要なキーワードとなっていましたね。
次回は第2章第2項について読み進めていく予定です。
心理的柔軟性の第1要素である「変えられないものを受け入れる」について、より詳細に掘り下げていく項になります。
ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。