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モヤモヤを解消し、行動を促す - 要約技法 -【マイクロカウンセリングのすすめ④】

こんにちは。学習塾ブランチの西原です。

前回は子どもの話をどう受け止めて返すかというテーマでした。

▼前回の記事はこちら▼

いいかえやはげましをしながら、ずっと話を聞き出すばかりでは先に進みません。

そこで、ある程度時間をとって話を聞きだしたら、要約を行っていきます。

要約の目的は「思考の整理」をし、「行動への助け」となるもの

なぜ、要約が必要になってくるか。

何かに悩んだり、不安を感じたりしている時は、

状況が複雑にからみあっていたり、様々な感情が出てきていて整理がつかない状態だと思います。

その状態のまま、自信をもって進むというのは難しいものです。

そんな状態をいったん整理し、お子さんの思考を統合するサポートをしなければなりません。

思考が統合されると、多くの人が行動に移せるようになります。

ドラマなどでもこのようなシーンを見たことがないでしょうか?

ヒロインが涙ながらに今まで抱えていたものを吐き出し、全部吐き出した後に

「全部吐き出したら、なんだかすっきりした!」と晴れやか表情を見せる場面を。

この「スッキリした!」というのが思考が整理され統合された状態です。


「スッキリした!」と言った後、ヒロインは立ち上がり、

「よし!やるぞー!」というようなポーズをとるところまでが、だいたいセットですよね。


つまり、スッキリすると行動に移すことができるようになるということです。

ですから、私は受験生の親御さんに夏が終わるまでに、家族でしっかりと話し合って志望校を固めてください。とお願いします。

適当に決めた志望校は後でグラグラ揺れ動きます。そして、揺れ動いている間は行動が止まります。成績も伸び悩みます。

その結果、さらにグラグラしだすという悪循環に陥っていきます。

自分の思考に置き換わっていないか気をつける。 要約と歪曲

要約をするには、長い時間、集中して傾聴する必要があります。

そらに、正確に聞き取ることに意識を向けなければなりません。

私たちは普段、自分自身の価値観・経験・知識を持って、人の話を聞いています。

つまり、人それぞれフィルターを持っており、そのフィルタを通して解釈を加え、理解をしています。

場合によっては、話し手の意図と全然違う受け取り方をしてしまう場合があります。

これを「歪曲」と言います。

みなさんも、「それが言いたかったんじゃないのに」という経験はこれまでに何度もあるのではないでしょうか?

それは、致し方ない事でもあります。

ですので、要約をしフィードバックすることで、相手が言いたかったことを正しく受け取れているか、

それを整理できているかを確認しなければなりません。

要約する時のポイント

要約をする際は、まず話の中のどこに焦点を当てて整理するかが大切になります。

そこがズレてしまうとなかなかうまく思考の統合が進みません。

お子さんからすると「いや、そこはそんなに大事じゃないんだけど、、、」という感じになります。

焦点があってるかあっていないかは反応ですぐにわかりますので、表情の変化をよく見ておきましょう。

そして、お子さんが何度も繰り返している言葉に気を配りましょう

単語の事もありますし、文章のときもあります。

また、全く同じ言葉ではないこともあります。

話が堂々巡りになるなと感じたら、何かひっかかりがあるところがあり、

そこから進めずにいる状態ですので、いったんそこまでの話を要約しましょう。

過去の事例 - 部活動推薦を取り消して志望校へ -

これは実際に対応した事例です。

ある教室の3年生から、私立高校から部活動推薦がきたので、進路決まったとの報告がありました。

しばらくして、その教室の先生から、生徒の様子がおかしい(元気がない)ので、話をしてあげて欲しいとの相談があり、

教室に向かいました。

確かに、進路が決まった割には、伏し目がちで元気のない様子でした。

そこで、「受験終わった人の雰囲気じゃないけど、納得してないことでもあるの?」と色々と話を聞いたところ

推薦でと言ってしまったんで、、、

書類出したんで、、、

もう変えられないんで、、、

ということを繰り返し他人事のように口にしていました。

そこで、「変えられるのなら、変えたいと言っているようにも聞こえるけど、あってるかな?」と整理をして投げかけると

「変えられるんですか?」と初めて顔をあげてくれました。

「制度上は問題ないはずだよ、先生には頑張ってもらわないといけないから、生半可では強力してもらえないと思うけど」

と伝えました。その後はぽつりぽつり当時の様子を話し出してくれ

三者面談の席で推薦が来ている事を知った。先生も親も喜んでいるようだった。進路決定はあなたの好きにして良いと言われた。
だけど、自分の学力がどれぐらいなのか、どこの高校に行くと自分の進路にどう影響するのか、全然分からないのに好きに決めて良いと言われてもできるわけないじゃないか!と感じ、その場の空気感に堪えられなくなり、推薦を受けると言ってしまったとのことでした。

そこで、一つ一つその生徒が気になっている点を一緒に調べて疑問を解消していきました。

そうすると、やっぱり公立のこの高校に行きたいという結論が生徒の中で出てきました。

親御さんと相談して、親御さんから担任の先生に相談してもらうといいと思うよと伝えました。

次の日には家族会議をやって、担任の先生にも相談して、1週間後の塾の日には全部解決していました。

部活の顧問の先生と一緒に、高校まで謝罪と説明に行ったそうです。

もっと時間がかかるだろうなと思っていましたが、あっという間に解決してしまい、驚きました。

保護者や先生の理解があったからだとも思います。

そこから公立に向けて勉強を頑張り、無事に合格し卒業していきました。

何かひっかかりがあると、なかなか行動に移せないものです。

大人でもそうなのですから、子どもならなおさらです。

それを叱咤しながら動かすのは難しいです。ブレーキを踏んだ状態ですから、またすぐに止まります。

そういう時は、まず話をしっかり聞いて、何がひっかかりになっているのかを整理してあげることが次のステップに繋がることもあるのです。

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