学習塾ブランチ講師の西原です。
今日は語彙力について書いていこうと思います。
子ども達の学習をみていると、必ず語彙の問題にあたります。
学校では教科書やプリント、先生の板書などすべての教科において文字を通して知識を獲得しています。
その文字が分からないとなると、すべての教科において影響が出ます。
この語彙力に関係がある可能性が高い調査結果をご紹介します。
自宅にある本の数
一つ目は平成30年にお茶の水女子大学が発表した社会経済的背景と学力に関する研究結果です。
そこには、家庭にある本(※)の数と子どもの学力がきれいに相関していることが分かるデータがあります。
※電子書籍は含むが,漫画や雑誌,教科書,参考書,子供向けの本は除く。
家庭にある本の数が多いほど、国語も数学の点数も高いことが分かります。
10冊以下の家庭と200冊以上の家庭とでは、平均で15点ほど差があります。
この研究では国語と数学のテスト結果のみが使用されていますが、おそらく英語、理科、社会でも同様のグラフができあがると思います。
家庭内に本が多いと、自然と活字を目にする機会が増えます。
そして、本が多いということは親が本を読む習慣があるということ。
それを見て育った子どもは本に興味を持ちやすいことは想像しやすいと思います。
加えて、これに関係しそうな研究が海外にあります。
家庭内で使われる言葉の数
カンザス大学のハートとリズリーは42世帯の家庭内の会話の録音を2年以上蓄積し、それらを分析しました。
その結果は、社会経済的背景が高い家庭では子どもが4歳になるまでに4800万語の言葉で語りかけており、
社会経済的背景が低い家庭ではそれが1300万語になるというものでした。
4歳までに実に3000万語の差があり、この結果は子どものIQと語彙力に相関があったのです。
つまり、子どもは自身がおかれている環境から言葉を学んでいるということです。
学校の授業ですべてを身につけている訳ではありません。
環境をつくることが大事だとはいえ、100冊もの本を買うだけではあまり意味がありませんし、
それだけ買うとなると費用もかかります。
そこで、図書館を利用しましょう!
図書館の利用と学力の関係
お茶の水女子大学の研究では、「子どもと一緒に図書館にどれぐらい行くか」と学力の関係も調べています。
その結果は、蔵書数と同じような結果が出ています。
月に1回以上行くという家庭と、言ったことがないという家庭の子どもの学力は
国語で11点、数学で14点の差がありました。
月に1,2回、子どもと一緒に図書館へ行きましょう!
子どもと一緒に本を借りて、本を読む習慣を一緒につくることから始めてみましょう。
費用もかからず、月に1,2回です。
比較的取り組みやすく、返却するときに次の本を借りれば、このサイクルはずっと続きますので習慣化しやすい内容です。
私も息子と月に2回、図書館に本を借りています。
自分にとっても良い習慣になるのでお勧めです!