今日は、よく生徒に話している「授業を受けるときに意識してほしいこと」の一つをお話しします。
効果的かつ効率的な学習を行う際、【学習の転移】が欠かせません。
学習の転移とは、過去の経験や既有知識が現在・未来の状況に影響を与えることです。
学習の転移というとなにか難しそうな感じがありますが、当たり前に起こっています。
「前に似たようなことがあった」と認識していなくても、私たちは過去の経験を転移させて生きているのです。
この学習の転移を意識的にプラスにはたらかせることで、学習の効果を高め、効率良く学習することができます。
具体例を見ていきましょう。
授業を受けたり問題を解いたりするときに、
「これ前に習ったことと似てるな」とか「この問題とこの問題は同じ解き方だ!」と、どれくらい認識できていますか?
例えばこの二つの問題
テストに向けて練習している展開の問題ですね。
分配法則を使って解きます。つまり、xをかっこの中にある二つの項それぞれにかけて計算するのです。
6と3に違いがありますが、ほとんどの生徒は同じ解き方で解ける問題であると認識できるでしょう。
※分配法則では符号に気をつけましょう※
これは文字や負の数であることに違いがありますが、授業でも一緒に扱うし、1問解説した後の練習問題として出てくるような類似性があります。
これもほとんどの生徒は同じ解き方だと認識できます。
ではこれらはどうでしょうか。
これはかっこの式が前にあること、2枚目についてはさらに分数が含まれることで、一見違う解き方だと思ってしまうかもしれません。
しかし、3×8と8×3の答えが同じであるようにかけ算は順序を変えても同じですから、問題の解き方も変わりません。
それではこれはどうでしょうか。
割り算だ!だから全然違う!
となるかもしれませんが、同じように分配法則をすればよいです。
上記の例、すべて同じ解き方で解けると認識できれば、この単元をぐっと早く習得することができます。
同じ解き方で解けると認識できないと、「やり方が違うからわからない」「教えてもらっていないからできない」と諦めてしまい、勉強が止まってしまうこともあります。
前に習ったものと似てるところがないか意識して授業を受けましょう。