こんにちは。
学習塾ブランチ講師の西原です。
今日は子どもへの声のかけ方について書いていこうと思います。
皆さんはお子さんに行動を促す時、どのような声かけをしているか思い出せますか?
一言一句はっきりと思い出せるという人は少ないと思います。
「うちの子は言っても全然やらない!」という話はよく聞きますし、皆さんも感じたことがあると思います。
それはもしかすると、声をかけたことによってやりたくないという気持ちを強くさせてしまっているかもしれません。
普段の声かけを少し意識するだけで、子どもの行動が変化する事は多々あります。
今日はそのテクニックの一つであるIメッセージ、YOUメッセージについて書いていきます。
IメッセージとYOUメッセージ
アイメッセージ、ユーメッセージとはアメリカの心理学者トマス・ゴードン博士が親業訓練講座の中で提唱しているもので、
「I(わたし)」を主語にして、相手に気持ちを伝える方法です。そしてその反対であるYou(あなた)を主語にする伝え方が「Youメッセージ」です。
つい、先日NHKの番組で子どもが進んで片付けをするようになるテクニックが紹介されていました。
それがまさにアイメッセージとユーメッセージでした。
ユーメッセージでの伝え方は
「早く片付けなさい!」
「きれいに片付けなさい!」
などです。
「(あなたが)早く片付けなさい!」
「(あなたが)きれいに片付けなさい!」
と主語があなたになっていますね。
これをアイメッセージに変えるとどうなるか
「片付け手伝ってくれるとうれしいんだけど、協力してくれる?」
「きれいに片付けてくれると掃除の時に助かるから、きれいに入れてくれるとうれしいな。」
といった感じです。
「片付け手伝ってくれると(お母さんが)うれしいんだけど、協力してくれる?」
「きれいに片付けてくれると掃除の時に(お母さんが)助かるから、きれいに入れてくれると(お母さんが)うれしいな」
と主語がわたしになっています。
ユーメッセージ、アイメッセージそれぞれどのような印象を受けましたか?
YOUメッセージの与える印象
YOUメッセージは断定的で責められているように感じやすいという特徴があります。
それに対して子どもは自己防衛をします。
つまり、「うるさい!」「後でやるって!」のように反発するわけです。
これは、「反抗期だから」と一言で片づけて良いとは私は思いません。
幼少期は、自分で自分のことができませんし、何が大丈夫で何が危険かもわかりません。
だから、親の言う事を素直に聞くことが自分を守るためにも重要です。
しかし、成長し出来る事が増え、自我が芽生えだしてくると、受け取り方は変わってきます。
自分のことを尊重されていないと感じたり、信用されていないと感じたりするようになります。
子どもは体も心も成長していきます。
それに合わせて親御さんも関わり方を変えていく必要があるのです。
アイメッセージの与える印象
その関わり方を変える方法の一つがアイメッセージです。
アイメッセージは皆さんどのような印象は受けましたか?
ネガティブな印象はあまり受けなかったと思います。
むしろ、頼ってもらえてうれしいなという感じがありませんか?
アイメッセージは、「あなたの行動によってわたしはこういう気持ちになれる」という伝え方をしますので、
受け手は自分の行動がどのようなプラスの結果をもたらすか具体的にイメージできます。
先のお片付けの例で言うと、「自分がお片付けをすることで、お母さんが喜んでくれる」という期待値が生まれます。
それが本人にとって望ましい未来であれば、行動をします。
偽のアイメッセージに注意
ここで注意が必要です。
主語をわたしにすれば、どのような伝え方でも良いかというとそういうわけでもありません。
主語が「わたし」のユーメッセージというものも存在します。
例えば、
「小学生なんだから自分から片付けできないと恥ずかしいと(お母さん)は思うよ」
というように、ユーメッセージの最後に「~だと(私は)思うよ」というパターンです。
これは、アイメッセージにみせかけたユーメッセージです。
アイメッセージで伝えてるのに、子どもが反発するというときは、実はユーメッセージになっているかもしれません。
伝え方を工夫してみましょう。
言葉のベクトル(矢印)を意識する
日本語は主語を省略することが多いため、アイメッセージになっているのか、ユーメッセージになっているのか
話している自分自身も分からなくなることがあります。
それを判別する方法として、言葉のベクトルが自分に向いているのか、相手に向いているのかを意識してみましょう。
子どもが言ってもなかなか片付けをしない、勉強をしないという時、
まずは「イライラな気持ち」が出てくると思います。
その状態で出てくる言葉「早く勉強しなさい」「早く片付けなさい」は自分のイライラをおさめるための言葉です。
つまり、言葉のベクトルは自分に向いています。
自分がイライラを解消したくて、相手に発している言葉です。
「あなたの将来の夢のために、お母さんたちもできることを頑張るから、あなたもあなたが今出来る事を頑張って欲しいのよ」
この言葉のベクトルは相手に向かっています。
自分のためを想って言われている言葉は必ず届きます。
今自分が発した言葉は、誰のためを想って発した言葉なのか
自分のために言ってしまっていないか?
時折振り返ってみるのも良いかもしれません。
学習塾ブランチでは、毎週1回30分の電話ミーティングをしています。
その際に、お子さんにどのような伝え方をすると親御さんの気持ちがちゃんと伝わるのか
一緒に考えサポートしています。