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【自宅でできる学習支援①】知能観を育み、 成績 が伸びやすい子どもを育てる方法

※本文の最後に知能観のチェックテストがあります。お子様は 成績 が伸びやすいタイプかどうかチェックしてみてください。※

成績 が伸びやすい生徒、伸びにくい生徒、その違いは何なのでしょうか?
インターネットで検索すると良く出てくるものの一つに「素直さ」があります。

言っている事は分かるなと感じる方は多いと思いますが、なぜ「素直さ」が重要なのか、その「素直さ」はどう形成されているのか。
という問いに答えるのは難しいと思います。今日はその点について「知能観」という観点からお話したいと思います。

拡張的知能観と固定的知能観 "成績"の伸ばすのは?

米国スタンフォード大学心理学教授の、キャロル・S・ドゥエックは人が持つ知能観を

拡張的知能観(増加的知能観)と固定的知能観(実体的知能観)に分類しています。

『拡張的知能観』

知能は学習や経験によって増加させることができるという思考

『固定的知能観』

知能は生まれながらに決まっており、容易に変える事はできないという思考


学習において、「素直である」というのは「拡張的知能観」を持っている事を意味します。

多くの子どもが固定的知能観(成績 が伸びにくい)を持っている現実

では、なぜこれが学習において重要なのでしょうか?
私は塾を運営する中で、生徒にある質問をしました。
「みんなのいう頭の良い人ってどんな人ですか?自分も頭の良い人になれると思いますか?」

と聞きました。結果はどうだったと思いますか?

実に8割の子ども達が「いいえ」と答えました。固定的知能観を持っている子ども達の方が多いのです。

成績 を伸び悩ます固定的知能観

そして、「では、なんで勉強するの?」と聞くと、一番多かった答えは「頭が良くないから」です。
つまり、「自分は頭が良くなく、これからも頭の良い人にはなれないので、人以上に頑張るしかない」と考えているのです。

これを読まれた保護者の方の中には、「それでいいんじゃない?」と思うかもしれません。
実際に多くの保護者の方が「あなたは要領が悪いんだから、人より頑張らないと!」というような声をかけています。
しかし、この思考が強ければ強いほど、早々にモチベーションが続かなくなり、挫折する可能性が高いです。

なぜかというと、難しい問題・できない問題に直面したときにそれをどのように捉えるかが異なり、その捉え方によって次の行動が変わってくるからです。

中学生が成績を伸ばしたいと思う時、自宅での学習や授業の受け方がどの程度変化するかは重要な要素です。

成績 を伸ばす素直さの正体

固定的知能感が強いと、難しい課題に直面した際に、自分の能力の限界と感じてしまい、それを乗り越えようとする努力をしようとは思いません。そういう子達はできる問題に対しては意欲的で、どんどん解いていき、こんなに解いたと自慢もしてきます。

一見、意欲的に見えるかもしれませんが、これはパフォーマンスゴールを設定しており、自分はこんなに出来るよと誇示しているだけなのです。

苦手なものにはなかなか取り組もうとしません。こういう風にやってみたらいいよ!という提案を受けてもなかなか実行しません。取り組んでしまうと、自分の能力の限界を感じてしまうからです。

一方で拡張的知能感が強いと、困難な課題に直面した際、新たな方略や努力の投入が必要だと感じ、一層の努力を動機づけられるといいます。

新しいアプローチや努力が必要で、それをすればこの困難も乗り越えられると感じているため、先生からのアドバイスは積極的に取り入れ実行していきます。

そして、課題を乗り越えるまで粘り強く取り組もうとします。

これが一般的にいわれる「素直さ」の正体です。

「家では全く勉強しない」「うちの子は要領が悪い」「やる気がない」など、よく保護者の方からの相談で聞く言葉ですが、

これらには固定的知能観が強く影響を与えている可能性が高いです。

そして、この知能観は先天的なものではなく、これまでの生活の中で強化されてきています。

特に、親御さんが自分の子どもを固定的知能観でみているのか、拡張的知能観でみているのかの影響はとても大きいです。

ほとんどの親御さんがこんなことを考えているわけはなく、無自覚にされていることだと思います。

保護者のかかわりの実例 - 成績 を伸ばすために必要な関りとは -


これまで、多くの親子に対して体験授業を行ってきました。

その際に、お子さんの状況を整理してお伝えするのですが、そのあとの行動にはっきりと出てきます。

以下に2つの事例を書きますが、どちらのお母さんも子どもの事を本当に心配しているお母さんです。

固定的知能感でお子さん見られている方は、「うちの子は本当にできないんで、先生お願いします」と私に話しかけられます。となりで聞いているお子さんはうつむいて聞いています。

「あ~、自分は出来ないんだな⤵️⤵️」とより自分自身を固定化していきます。

一方で拡張的知能感でお子さんを見られている方は、「できるようになるってよ、頑張ってみたら」とお子さんに話しかけられます。

となりで聞いているお子さんはうれしそうにしています、

「そっか、やればできるんだ❗」と自分が変われることを肯定していきます。

入塾後、成果がでるまでの時間や成果の幅に大きく違いが出てきます。

裏を返すと、普段の声掛けを意識するだけで、お子さんの可能性を伸ばすことができるのです。

知能観チェック

1.私は一定の才能をもって生まれており、それを変えることは実際にはできない

(全くあてはまらない) 1 2 3 4 5 6 (とてもよく当てはまる)

2.私の中で、才能はほとんど変えることのできないものだと思う

(全くあてはまらない) 1 2 3 4 5 6 (とてもよく当てはまる)

3.新しいことを学ぶことはできても、基本的な才能は変えられない

(全くあてはまらない) 1 2 3 4 5 6 (とてもよく当てはまる)

この3つの質問の合計値が高いほど固定的知能観が強く、低いほど拡張的知能感が強いことを示します。

【参考文献】

「知能感が非意識的な目標追及に及ぼす影響」2005 及川昌典

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