中学生に勉強での 目標 を聞くと、
多くの場合、「定期試験で●●点取る」
受験生だと「●●高校に合格」となります。
成績が伸びる生徒は、その 目標 に向けて動き出しますが
成績が伸び悩んでいる生徒は、 目標 だけ立てて、昨日と変わらず、、、という話も少なくはありません。
保護者の方からは、「●●高校に行きたいとは言っているんですけど、全然受験生の生活ではないんですよね。怒っても仕方ないと思いつつも、口を出さずにはいられません」という声を毎年よく聞きます。
同じように目標設定をしていても、行動に移せる子とそうでない子の違いは何だと思いますか?
それは、同じ目標という言葉を使ってはいますが、
成績が伸びる子は、目的と目標をセットで目標と呼んでおり
成績が伸び悩む子は、目的を目標と呼んでいる点です。
目的と目標の違いを説明できますでしょうか?
いざ考えてみると難しいですよね。
目的は最終的に成し遂げようとする事柄であり、「目指すべき到達点」
目標は目的を成し遂げようとするために設けた「具体的な手段」
と区別することができます。
「次の試験で●●点を取る」「●●高校に合格」は目的であって、目標ではありません。
ですので、成績が伸び悩む生徒は到達点だけを決めただけで、そこまでどうやってたどり着くのか具体的な手段まで考えていないことがほとんどです。
具体的な手段を考えていないわけですから、行動に現れることもありません。
今の点数から、目的とするところにたどり着くには、どれぐらいの勉強量が必要なのか、
どういうやり方で取り組むべきなのか、今の自分に何が不足しているのか、考えなければならないことは山のようにあります。
子どもが目標を共有してきた時は、「いいね!頑張りなさい!」と受け入れつつ
「それで、どうやって達成するの?」と期待の眼差しで聞いてあげてください。
考えている子は、勉強時間増やすとか、問題集をこれだけやる!とか、すっと出てくると思います。
考えていない子は、その質問をきっかけにそこで考え出すと思います。自分の口で言うまで少し待ってあげてください。
自分から言い出したことに対しては、やらないとという気持ちは少なからず生まれますので。
出てきた目標が、「それだけ?」という時もあると思います。
到達地点と現状を正しく把握できていない生徒で起こりがちです。
その時は率直に「それだと足りないと思うよ」と伝えて頂ければ大丈夫です。
なかなか言語化できない場合は、一緒に考えてあげるのも良いと思います。
自分の事を客観的に見ることが苦手な子は、行動ベースの目標を立てることは苦手です。
1時間でどれぐらいの量をこなすことができるのか、1日の中でどれぐらいの勉強時間を確保することができるのかイメージが湧かないのです。
目標は日々の行動に意識を向け、日々目的に近づいているのかどうか確認するために立てられなければなりません。
目標設定はしているのに、行動が伴わないという場合は、一度この話をしてあげてください。
最後に、行動ベースになっている目標でもうまくいかない場合がありますので、立てた目標が以下の4つにあてはまっていないか確認をしてください。
①目標をたくさん立てすぎる
目標をたくさん立ててしまうと、目標同士が対立してしまい、
Aの目標を頑張ると、Bの目標の達成率が下がってしまう、Bを頑張ると、Aが達成されないという関係になると
手が付けられていない方の目標が気になり、焦りが生まれ集中できなくなり、結果的にどっちの目標も中途半端になるということが起こりやすくなります。
このような場合は、一つに絞るか、どうしても絞れない場合は、二つの目標を包括できるような目標に変えると良いです。
英語10ページ、数学10ページを目標とし、英語をしている時に、数学が気になってしまうという場合は
例えば、英語と数学合わせて15ページ取り組むなど、一つの目標にしてしまいましょう。
②厳しすぎる目標
生徒に「どうする?」と聞くと、けっこう無茶な目標を立ててくる子もいます。
「毎日50ページやる!」など、意気込みは素晴らしいのですが、どう見積もっても1日でできる量ではないという場合です。
目標は日々達成されないと、モチベーションの低下・自己肯定感の低下につながる場合もあります。
いつもより少し頑張れば達成できる目標を設定しつつ、少しずつ目標の難易度をあげていくようにしましょう。
フルマラソンの練習をするのに、いきなり47.195㎞を走ることはしないですよね?
まずは1㎞から、そして5㎞、10㎞と徐々に距離を伸ばしていくと思います。
学習の目標も同じように立てましょう。
③短期目標
短期すぎる目標は先延ばししやすくなります。
例えば「今日帰ったらすぐに勉強しよう」などの目標です。
家に帰って、ちょっと休憩のつもりで漫画本を手に取ってしまい、ついつい1時間読みふけってしまったら、「帰ったらすぐに勉強しようと思っていたのに、今日はもういっか」となりやすいのです。気づいた時から始めれば良いのですが、なかなかそうはならないものです。
④静止目標
静止目標や禁止目標とよばれるもので、「~しない」という目標です。
「りんごを想像しないでください」と言われるとりんごを想像してしまいますよね というやつです。
勉強の天敵はゲームとスマホ
ゲーム禁止!スマホ禁止!と強く思えば思うほど、ゲームやスマホのことが頭から離れなくなってしまいます。
そして、気が緩んだ時に手を伸ばしてしまったら最後、「ゲーム禁止」という目標を立てていたのに、ゲームをしてしまった。
そうると、その日はもうどう頑張っても目標が達成されることはなくなってしまいますので、「今日もういいや」となってしまいがちなのです。
これを「どうにでもなれ効果」といいます。
ゲーム禁止にしたいのであれば、「1日3時間勉強をする」や「スマホの電源を切って、勉強をする」など、その目標を達成しようとすると、自然とゲームはできなくなるという目標にしてみましょう。