「あなたはできる子!」
「うちの子は頭がいいわ〜。」
「やればできる!その調子で頑張ってごらんなさい。」
さて、このような声をお子様にかけているご家庭は多いのではないでしょうか。
しかし、残念ながら、この3つのような褒め方はあまり良い例ではありません。
実はこの3つの褒め方にはある共通点があり、お子様の成績を下げてしまう原因になるかもしれません。
今回は、”お子様をどのように褒めるのが良いのか”についてご紹介します。
子どもの能力ではなく、「努力」を褒める
さて、前述した3つの褒め方の共通点の正体が気になるところだと思います。
実は、この3つは”子どもの能力”を褒めているのです。
子どもの能力とは、わかりやすく言えば”子どもの頭の良さ”と言えます。
では、子どもの能力を褒めることが、成績を下げることに一体どう関係するのでしょうか?
その答えは、実際にコロンビア大学の実験によって明らかにされています。
その内容を簡単にご紹介します。
実験は10〜12歳の公立小学校の生徒を対象に行われ、数回のIQテストを実施しました。
そして、2つのグループを準備しました。
一方は、1回目のテストで良い結果が出た生徒に「あなたは頭がいいのね」とその子のそもそもの能力を称賛したグループ。
他方は、「あなたはよく頑張ったわね」とその子の努力を褒めたグループ。
その後、この2グループのテストの結果の変化を調べていきました。
すると、努力を褒められたグループは成績を伸ばしていったのに対し、
そもそもの能力を褒められたグループは成績が下がっていったのです。
つまり、お子様を褒める際は、その子の頑張ってきたこと、つまり「努力」を褒めることが大変重要なポイントとなるのです。
「努力」を褒められた子どもは、勉強に意欲的になりやすい!
さらに、この実験で、子どものテストの結果の捉え方にも違いが出ることがわかりました。
そもそもの能力を褒められたグループは、成績の良し悪しは“自分の才能の良し悪しで左右される”と考えていたのに対し、
努力を褒められたグループは、成績の良し悪しは“自分の努力量が十分だった・不足していた”と考えていました。
努力を褒められた子どもは、粘り強く問題を解こうと意欲的になりやすく、難しい問題に対しても前向きな姿勢で取り組むように育ちやすいことがわかったのです。
子どもは、コツコツと頑張ってきたことを褒められると、もっと頑張るようになる!
今回は子どもの褒め方についてお話をしました。
ぜひ、今日からはお子様に「あなたはやればできるよ!」と声をかけるのではなく、
「今日は1時間も勉強を頑張ったのね!すごいじゃない!」
「最近ほんとによく頑張ってるね!」
「今月は全く遅刻せずに学校にいけたね、よく頑張りました!」
と、お子様の頑張ってきた内容を褒めてあげてください。
参考:「『学力』の経済学(著:中室牧子)[株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン]